Grok Bot、Cursor Projects、Hermes Bot、GPT Dots、どう違うん?
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展示会準備で忙しくしている間に、Grok Botに続いてCursor Projects、Hermes Bot、Claude Projects、GPT Dotsなどなど、クラウドで24時間動作するAIコーディング環境が急に増えましたね。やっと使い比べる時間ができたので、私なりの比較を書いておきます。
そもそも、コレなんて呼んだらいいんだろうね
これらの特徴の説明の前に、まずこれらサービスはまだカテゴリの名前がないんですよね。便宜上「クラウド型AI環境」って呼んでおきます。
共通点は
- クラウドPCの上でAIエージェントが動作する
- ブラウザやCLIツールをクラウドPCの上で使用できる
- PCが停止していてもクラウド上で作業が続く
- 定時動作(cron)できる
ってところでしょうか。作業はコーディングに限らず、元になっているモデルができるものは全てできます。
Claude ProjectsとGPT DotsはCursor Projectsとほぼ同じようにみえましたので予算の都合で今回は割愛、3種類を試してみたので特徴をまとめて紹介します。
(記事の下書きを書いてる間にDotsが増えました。流石に追いきれない。。)
Grok Bot

既に記事にしていますがGrokがVM上で群れで動作する仕組みのクラウド型AI環境です。1台のVPC上に複数キャラクターの「Bot」を展開して作業させる環境です。
ボットを動作させているLLMはGrokがメインのようですが、Cursor側の使用量を見るとOpusやGPTも使用している模様。
難しい設定が不要、初心者にも優しい
ブラウザアクセスまたはアプリ起動ですぐ使えるのはありがたいですね。最初は何をしたらいいかわかりにくいですが、ボットの方から「何をしますか?」って聞いてきますので、初期チュートリアルとしてそのまま答えていってもいいですし、「こういう事できる?」と聞いてみてもいいです。
たしかト○ンプと○ーチンのボットを作って口喧嘩させてた人もいましたね。結果までは見てないので、興味があればご自分の環境でお試しください。
キャラクタづけが便利
バージョンが上がって直接キャラ指示文を書けなくなったんですけど、”dr eggbot”というボットを作る専門のボットが公式から出ていますので彼を追加します。

彼にどんなボットが欲しいかチャットを投げると

と、対話型で作ってくれます。

人類の叡智を超える高度なAIギャグを作ってくれたようで理解が追いつきませんが、実用的な方向ではちゃんとしたボットを作ってくれます。

システム的な特徴
ボットは完全には分離されておらず、クラウド上のVMの上に、ボットごとのAGENTS.mdとMEMORY.mdがあると考えてもらえればわかりやすいかと。お互いのボットのメモリーやセッションデータを読みにいく事もできますので、「これ、前どのボットに頼んだっけ……?」とかは雑に投げて大丈夫です。
またVM自体をGUIで操作できますので、お好きなツールを入れてそれらをボットに使用させることも可能です。Grok Botの中にGrok BuildやClaude CodeやCodexを入れて……ということも可能ですけど、ライセンス的にどうなんかわからないのでオススメはしません。
Grok Botのいいところ
どこでも簡単に作業できる
なんの設定も知識も要らず、いきなり使えるのは最大の魅力だと思います。他のクラウド型AI環境は少なからずGitHub前提とかどのモデル使うかとかありますんで。。
また、他と違ってGrok Botは完全にクラウドに隔離されています。Androidアプリから全操作できますので、電波さえあればいつでもどこでもストレスなくいろいろ指示できます。
Xのエコシステムをフル活用できる
Grokで動作してますので、Grokでできることは全部できます。Xの投稿の検索は得意中の得意です。(デフォでは検索・取得のみ。投稿を行うには別途xAIのAPIが必要)
Grok Imagineで画像生成もできます。画風ごとにボットを立てておくと使い分けが楽です、ブログ用・X投稿用とかね。NSFWは無理です。
勝手に共同作業してくれる
複数ボットが作成されていれば自動的に協業してタスクを開始してくれます。
「ウェブサイトを作りたい」
→WebデザイナがHTML+CSS作成
→イラストレータがImagineでアセットを生成
→インフラエンジニアがCloudflareにデプロイ
みたいなことを特別に指示なくやってくれて、それぞれのボットが知識を蓄積していきます。
Grok Botの弱いところ
2026年9月時点で推論力は低め、日本語力もいまいちなので、「ゴリゴリ開発や創作に使うぞ!」っていう感じではないです。難しい設定が要らない反面、モデルもエフォートも選択できないところが弱みになってますね。
Grok Botの使い所
- 情報収集系
- X検索を定期実行できるのは強い。X Proの代わりにできる
- Grok同様、AI除けを貫通して情報取得してくる
- 手数が必要な作業
- しらみつぶしのE2Eテスト
- 大量のファイルの誤字脱字チェック
- Imagine 画像生成の品質を揃えやすい
シークレットの持ち方
基本的にVM全体で同じ環境変数とenvを使用します。venvなどで使い分けることも出来ますがVM全体で切り替わってしまうので、同時に複数のボットで別なシークレットを使ってログインとかは難しいです。(ブラウザログインセッションはコピーしたものを復元して使うことで使い分けられる模様)
Grok Botの価格
今のところSuper Grok以上/Cursor Pro以上/X Premium+のプランで使用できます。Botだけを目当てなら一番低額なのはSuper GrokまたはCursor Proの$20。X Premium+のおまけのGrokはSuper Grok扱い。
Cursor ProならGrok Bot利用枠と別に後述のCursor Projects利用枠も使用できます。Super Grok/X Premium+だとGrok Bot枠と別にGrok・Grok Imagineが結構な量使えます。ややこしいねん。
重複していてもクオータの週リミットは増加せず、一番大きい容量のものが適用されるようですので重ねがけは意味ないです。
買収・統合後の複雑すぎるxAIのプライシングにはクレームも多かったようで、近日中にプランを再編するとのアナウンスがありました。このへんはすぐ変わるかもしれませんのであしからず。
Cursor Projects
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Grok Botと同時期にひっそりリリースされていたCursor Projects。たぶんGrok Botの方がスピンオフなんだろなうと思うんですが、この2つは結構性質が異なります。
GitHub リポジトリ前提
スマホ版Claude Codeみたいに、リポジトリをVMに展開する動作になっています。なのでGitHub必須です。そんなわけでSE専用な感じです。そもそもCursorを非エンジニアは使わんでしょうけど。
並列作業前提だがボットのキャラクタは無い
Grok Botは担当者を分けて作業するイメージですが、Cursor Projectsは「フルスタックエンジニアが分身して作業する」イメージ。プロジェクトにチャットを投げるとコーディネーター役のクラウドエージェントが作られ、一つのタスクを自動で作られる複数のクラウドエージェントで解決するような構造になっています。
Cursor Projectsのいいところ
使ってみて一番ビックリしたのはE2Eテストの再現VTRをチャットで提示してくるところです。


VM内でGUI操作して、直接実行して動作確認する事もできます。「うちの環境で再現しない」が起こらない神設計ですね。
「これやった人」が残ってる
Day 1:
「ボタンが押せなくなるバグを直して」
→コーディネーターが”ボタン修正”エージェントを作成
→”ボタン修正”が調査・修正
Day 2:
「画面遷移追加して」
→”画面遷移”エージェントを作成してコーディング
Day X:
「ボタンまた押せなくなってる」
→”ボタン修正”エージェントに依頼
→修理箇所がわかっているのですぐ直せる
ようするに「前にこの修正したの誰だっけ、またお願い」が出来るようにフォーカスした環境です。Claude Codeよりコーディング力は弱めだと思いますけど、繰り返しの手直しはCursor Projectsのほうが強いんじゃないでしょうか。
Cursor Projectsの弱いところ
スマホアプリがない
2026年9月現在、iOSアプリではProjectsが無いです。AndroidはそもそもCursorアプリ自体ががないです。
PCから一度プロジェクトを始めるとCloud Agentとしてコーディネーターのセッションが表示され指示もできるので、続きをiOSアプリ・ブラウザでつづけることは可能です。
独自ドキュメントが膨らんでいく
コーディネーターへ指示した内容のうち、決定事項や禁止事項、いわゆるADRをリポジトリとは別なストレージへ記録していきます。10ターンほどプロジェクトで依頼して様々な修正をさせてみたのですが、このADR文書が自動では更新してくれない様子です。
50ターン、100ターンとかになってくると決定事項の撤回・修正や矛盾も出てくると思うので、適宜ADRの整理が必要になるんじゃないかなと思いました。整理にも結構トークン食いそう。
Cursor Projectsの使い所
- 既にある程度コード量があるプロジェクト
- 規模が大きめの機能追加
- E2Eテスト量が多い変更
- リファクタリング作業
- コードに残りにくい情報がプロジェクト情報として残る
シークレットの持ち方
Cursor ProjectsではプロジェクトごとにVMが作られます。VMは不定期にGitHubリポジトリから再作成されるため、通常git ignoredなenvファイルでのシークレット管理は不向き。その代わり、プロジェクトシークレットという設定の形でAPIキーや環境変数をAIに見られない場所に持つことができます。
VM単位の環境変数になるため、クラウドエージェントごとにシークレットを切り替えての動作確認などはちょっと難しいかも。直接環境変数を渡すことも出来るようですがセキュリティ的に非推奨ですね。
Cursor Projectsの価格
上記の通り$20のCursor Proから使用できます。
私もProプランで試しています。740ファイル、TypeScriptとRust混在のマイクロアーキテクチャSaaSで、E2Eテストとそれで見つかったIssueのフィックス30件をやらせたら3日でこうなりました。
Grok Botと異なりトークンリミットは月次制なので、月初に飛ばすと月末に何もできなくなります。使いすぎには気をつけましょう。
Hermes Bot
Grok Botが出て2日後に実装されたHermes Agentのボット機能です。

判断が速い。
まずHermes Agentって?

HermesはWin/Mac/Linux環境にインストールして、自分で好きなLLMを選んで使用することが出来るAIエージェント環境です。インストールする場所がVPCなら「クラウド型AI環境」としても振る舞う事ができるのと、設定次第でDiscordなどから指示もできることから、今回の比較に入れさせてもらいました。
ボットと言ってますがGrok Botに似ているのは見た目だけで、実態はHermesに旧来からあったプロファイル機能です。
Hermes Botのいいところ
Hermes Agentの記憶力+プロファイルでの厳格な職能分担
もともとHermes Agentは「育つAIエージェント」として人気がある環境です。使えば使うほど自動でスキルを作成して、似たような作業の再実行を効率的に行ってくれるすぐれもの。ボットモードでも同じように動きますので、「前に苦戦したあの作業」が2回目以降はすんなりやってくれます。またフロンティアモデルで行った何度の高い作業をSkills化して、2回目以降は安い中華モデルで同じように達成、ということもできます。
全部乗せのデフォルトの状態で使い込むとSkillsが膨らんできて動作がヘビーになりがち・Skillsの棚卸しにコストがかかってしまうのがHermes Agentの弱点なんですが、あらかじめ機能を切り分けしてボット作成していけば、Skillsの肥大化も最小限に抑えられます。
モデルが選べる
Hermes Agentそのものの一番のメリットなんですが、特定のモデルに縛られず好きなモデルが使えます。Xで盛り上がっているローカルLLMも使用OK。
クラウド型AI環境は24時間動作するのがメリットですけど、つまり24時間クォータを使いっぱなしとも言えるわけで……。リミットを気にせずローカルLLMでバンバン使えるHermes Agentはアドバンテージ大きいんじゃないでしょうか。最近のアップデートでllama.cppが設定画面からインストールできるようになりまして、Hermes Agentが起動している環境で動きそうなモデルもオススメしてくれるようになりました。

また、Astra でも DeepSeek でも GLM でも Sakana Fugu でもなんでも使えて、KreaやComfyUI、Openと連携したりもできるため、AIで出来ることはなんでも出来ると言っても過言ではないです。費用に糸目をつけなければOpusとAstraを組み合わせた独自モデル(MoA)なんかも作れます。
ボットごとにモデル設定もできますので、「GitHubのIssueを定期的に確認」のようなボットは無料モデルを使って、Issueの内容の精査ボットはGPT Lunaクラス、実際の修正処理は内容に応じてGLMやOpusの重量級モデルのボット、デザイン修正だけなら目の良いGeminiのボット、などホントの意味で得意分野での分担とクロスチェックが可能です。
各Botに細かい権限管理
Grok Botはプロンプトベースで「この役割」「これは禁止」とかなので、各ボットがロールを無視することも出来ちゃうんですが、Hermes Bot = Hermes Agentのプロファイルでは、使用できるツール(ブラウザやCLIなど)、MCP、環境変数なども細かく指定できます。「このボットはブラウザ禁止」「このボットはファイルリードとWeb検索のみ」など厳密な権限を設定して専業で安心して作業を任せられる仕組みになっています。プロファイルの作成・設定はHermes Agent自体にやってもらうことも可能ですので、そんなに身構えなくてもOKです。
Discordなどからも指示できる
ゲートウェイという仕組みがHermes Agentにありまして、設定すれば各種メッセージングアプリからHermesへプロンプトを送ることができます。
- Discord
- Telegram
- Google Chat
- IRC
- Line
- Mattermost
- Slack
- Teams
その他中華系メッセンジャーなどなどありとあらゆるアプリから指示できます。
設定はちょっと面倒ですが。例えば家のPCへインストールされたHermes Agentでも、ポート開放せずともPCが起動していてネットに繋がってさえいれば出先からでも指示して開発や創作に使う事ができます。
Hermes Botの弱いところ
そこそこ専門知識が必要
Grok Botのようにスマホアプリ入れてGo!のような気軽さは無いのが実際のところです。
Discordから動かすにはDiscordボットの設定が必要ですし、VPSへの設置はセキュリティ対策も含めてちょっと大変なんですよね。
開発元のNous ResearchではGUIでセットアップできるVPSを提供してます。こちらの招待リンクから申し込むと初月$15ドル引きになりますので是非どうぞ(宣伝)
https://portal.nousresearch.com/r/kinoko-senpai
別途AIサービスの契約が必要
Hermes AgentそのものはAIではなく、AIを使うための箱のようなものです。ChatGPT・Claude・Grokのような月額制の他のAIサービスや、従量制のAPIを使用する必要があるため、使い始めるまでのハードルはやはり少し高めです。
前述のNous ResearchのAPIルーターには無料で使用できるモデルもいくつかあります。アカウント作成自体は無料なので、完全無料でクラウドAI体験をしたいという人にもオススメです。
シークレットの持ち方
プロファイル内にenvやsshキー、環境変数でAPIキーを指定する事もできますので、「〇〇のデプロイ専用ボット」とかも可能です。(これは手動でコンフィグを編集する必要があります)
今回紹介した3種では最もセキュアかも。
Hermes Botの価格
Hermes Agent/Bot自体は無料でも使用できます。使用形態によって、
- デプロイ場所の運用費
- LLMの月額 or 従量API料金
がかかります。
参考までにNous ResearchでのVPS代はMediumインスタンス(4CPU) 24時間フル稼働で月$17程度、Deepseekで毎日ニュース収集と要約をさせてAPI料金が$3程度。Nous Plusのサブスク($20で$22分のクレジット)がちょい余るくらいの消費量です。くどいようですが初月は$15引きでサブスク契約できますのでぜひぜひ招待リンクから(宣伝)
https://portal.nousresearch.com/r/kinoko-senpai
Hermes Agent自宅PC運用で無料モデルやローカルLLM運用なら、電気代だけでいけます。そちらにチャレンジしてみてもいいかも。
まとめ
えーと、何をまとめたらいいんだろう?
ともかく現状は自由度でHermes Botが最強のような気がしますけれど、ハードルは高いです。がんばれば無料でもクラウド型AI環境が作れるのもHermesのいいところですね。
今、ClaudeとGPTを契約してなくて試せませんでしたが、おそらくClaude ProjectsとGPT Dotsも細かい違いや独自性はあるんだと思います。既に有料でAIサービスをお使いの方はそれぞれのクラウド型AI環境を試してみてもらって、「あれ、こういう事出来ないんだ?」にぶち当たってから、またこの記事を見てもらえると”よその仕組みとの違い”がわかって楽しいんじゃないかと思います。