これでやっと比較できるってもんです。
8/25からJetBrainsAIの料金体系が変わって、気軽にガシガシ使えなくなったなー、というのが前回の記事。
使い方が悪いのか、20ドル追加しても1日で使い切っちゃうこともザラです。せっかく20ドル突っ込むなら他のサービスを試してもいいのでは……?と思ってClaude Codeに課金してみました。Claude Codeは無料版では使えないため、とりあえずお試しでClaude Proを1ヶ月、20ドルで課金。
Hello, Claude!
Claude Codeのインストールはコンソールからnpm経由でワンライナーです。まぁインストールについてはオフィシャルや他のブログのほうが詳しいと思うので検索してください。
基本JetbrainsのIDEでプログラム書いてますのでIDE内臓のターミナルウインドウでもいいんですけど、Escキーでエディタに戻るのが緊急停止に不便なのと、AI系は開きっぱなしにすることが多いので、WindowsTerminalから開いてます。Junieも別アプリみたいにできたら操作上楽なんですけどね。
Claude Codeのいいところ
ゆーてもAIエージェントの括りでは同じだし、Junieも中のLLMはClaudeSonnetなのでClaudeとそんな変わらんだろ……と思っていた時期が俺にもありました。結論から言うと、結構違います。
(Junieのモデル、今はGPT5がデフォになりましたね)
料金が安い(ような気がする)
5時間ごとに使えるトークン量が決まっていて、それを超えるとストップ。時間経過で回復する、スマホゲームの体力みたいな制度になっています。なので「月初で使いすぎて今月なんもできんわwww」みたいなことにはなりにくい気がします。
プロンプトで指示した作業の途中で止まることも多いわけですが、その続きを行うには”同じPC”じゃないとだめなので、職場デスクトップで止まったものを出先でノートPCで……というのはできないです。(これはJunieもですけど)
Claudeの利用プランに個人用だとClaude Proの上にClaude Maxというのがあって、トークン量がProの5倍のが月100ドル、20倍のが月200ドルだそうです。(2025/09現在)。超特急の仕事のときならまぁアリ……なのかな……。。
Claude Proで使えるトークン量
Pro版はコーディングでは一番ティアが低いわけですけど、どのくらいの作業ができるかというのが気になるところですよね。
大まかにですけど、全てRustのコードで
- 500行x20ファイルのライブラリのドキュメント作成
- 不足しているテストコードの生成
- テスト失敗の原因調査と修正 x 3
これで使い切るくらいのイメージです。スクリプト言語だともっと消費が少ないのかもです。
JetBrainsAIのAIクレジットだと3~5クレジットくらいの感覚です。それが1日5回補充されると考えるとJunieよりコスパはいい計算ですね。
学習モードが面白いかも
AIで学習っていったらAIに学習させるモードかと思いきや、「ユーザーが学習させられるモード」です。claudeの中で/output-styleとコマンドを入れると

こんな選択ウィンドウが出てきます。Defaultはフツーにコードを書いてくれますが、

Explanationモードはこんな表示が追加されます。これはプリミティブ型で処理していた関数をニュータイプパターンにリファクタリングする途中での出力です。この変更の意味を解説してくれています。
Learningモードは実際のロジックを書く部分に
fn some_func()->Result{
//TODO (Human) 〇〇を使ったロジックをここに実装します。
Ok()
// TODO (Human) 正しい処理の結果を返すように修正してください。
// 返り値がResult型であることに注意してください。
}と生成され、「いやお前は書かんのかい」ってなる面白モードです。
公式チュートリアルを卒業したレベルで作りたいものがある人には、自分の作りたいモノを作りながらコーディングの練習ができるという意味で、実践的な勉強になりそうな気はします。
ToDoアプリとかフラッピーバードとか作り飽きた人向け。
設計も手伝ってくれるらしい
使ってないんですけどデザインモードというのがあるそうで
速度はClaude Codeの方がちょい早
プロンプトを打ってからの返事は圧倒的にClaude Codeが速いです。とりあえずすぐ返事はしてくれます。Junieの「Working….(5分)」が無いのは安心感あります。CoT(思考の途中経過の表示)もClaude Codeの方がコマメに喋ってくれる印象。
逆に言うと要らんトークンを消費してるとも言えますけど、そのへんはコンフィグでON/OFF出来るようです。
生成結果もClaude Codeの方が速いですが……。デメリットも結構感じました。
Claude Codeのダメなところ
あくまでJunieと比べてです。ClineとかCopilotとかとは比べてないのでその前提で。
Junieに比べて視野が狭い
AIの技術的な仕様として「記憶できない」、そのため仕様書や設計図をMarkdownで書いておいて毎回AIに食わせるのがいいよ、というのは何度か書いた気がします。
Claude CodeはJunieよりもこの傾向が顕著で、きちんと指定しないと二重定義はあたりまえ、既に独自ライブラリの実装を無視して既存コードの呼び出し引数を変えようとしたり、ちょっと目が離せないヤツです。
コードの品質はイマイチかも
上のとまぁだいたい同じことなんですが、
- この処理、メジャーなライブラリに入ってるよね?
- そのライブラリの関数、deprecatedなんだけど?
- 他のファイルの型定義ちゃんと見てる?
- テスト失敗してるけど見てる?
- ビルド通ってないけど大丈夫?
Claude
「エラーのないコードが完成しました!(完成しているとは言っていない)」
ツッコミ待ちかよっていうことがよくあります。
Junieが高い理由が納得できた
Junieだと書かなくてもわりとプロジェクト構造を理解していて、入れるべきところにコードを作成・挿入・編集してくれますし、プロジェクト内部で定義している独自ライブラリも使ってくれます。
JunieもClaudeCodeもMarkdown形式の定義ファイルがあって、そこにプロジェクト構造やコーディング規約、使用ライブラリを記入していくと、そのファイルを必ず読み込んだ上で推論を始めるそうです。(結構無視されてる気もしますけど)
Junieはこれらのファイルの他にIDEが内部的に使用しているファイルインデックスやビルドログなども参照して推論に活用しているようです。そのため生成されるコードはそれほど手直し無く動作するんだと思います。
逆に、クォータ=AIクレジットの消費量が大きい原因もこれなんでしょうね。
AIまかせはヤバい
どちらのAIエージェントにも
- 人間が確認せずにガンガン作業するモード
- 生成1件ずつ生成物を承認・訂正しながら生成するモード
があります。JunieだとBraveモードが前者です。Claude CodeだとPlanモードの後の一番上、「auto-accept edits」が前者。

何も考えずにバイブコーディングするならBraveやauto-acceptでいいような気がしますが、実際は
AIは、間違いに気が付かないままものすごい勢いで間違ったコードを前提にしたコードを書きまくる
これ。Claude Codeだと3回に1回くらいあります。猪突猛進。Junieでも10回に1回くらいあります。
Gitなどでロールバックできるタイミングならまだいいんですけど、「エラー出てるからまだコミットできないな、AIで修正しよう」というタイミングでコレが起こると最悪ですね。ロールバックしてトークンをドブに捨てるか、手動ででも修正して時間をドブに捨てるか。
Junieの感覚で丸投げするとClaude Codeは結構やらかします。(しつこい)
AIはペアプログラミングで一番輝く
上のスクショの2にある、「manually approve edits」をというのを選ぶと、1件ずつ人間が承認するモードで生成します。
当然1件ずつ差分の内容をみながら承認していくのでも半手動なので、もちろんAI丸投げよりは遅いですが、手書きコーディングよりは速いです。
その都度こんな感じで指示待ちが入ります。

2を選ぶと自動でガーッと行っちゃうので、1のYesで慎重に進めつつ。
明らかに間違っている時は
- 「ここは値の解釈を間違えています、〇〇型の実装にコメントで記載があるので確認してください」
- 「提案のduplicated_function()の機能はpath/to/libで実装済みです。自前実装せずライブラリのものを使うように修正してください。
- 「同様な要修正箇所が複数あるようです。変換するヘルパーメソッドを作成して修正作業を短縮してください」
- 「〇〇行のエラーは同名の関数が過去に二重に実装されていて、引数が異なっていてエラーになっているようです。その関数をどちらかに統合しようと思いますが、どちらが管理しやすいと思いますか?」
やってることは完全にペアプログラミングですね。
結局、どっちがおすすめ?
値段を考えずコードの品質だけならJunieがさいつよだと思っています、チャットオンリーでプロダクトレベルまで行けます……が、思い通りのアプリを作るまでには修正修正でめっちゃお金かかります。まじでめちゃくちゃかかります。
自分でもコーディングできて、プロジェクトマネジメントとか設計とかも出来る人なら、上で書いたようなAIペアプログラミングのやり方で、AIクレジットの消費量を抑えつつ高品質コードで生成出来るJunieがやはり強いんじゃないでしょうか。私自身、Claude Codeは来月は更新しないかもなと思ってます。
IDE代も別途かかるのでコスパはClaudeCodeに軍配が上がると思います。
バイブコーディングは夢だったのか
ローコードとかノーコードとかでも「IT素人でもアプリが作れます!」っていうのよく見ましたけど、マーケティング的にはかなり強烈なメッセージですよね。バイブコーディングもそういう文脈で「コーディングしなくてもアプリが作れます!」って言われることはありますし、実際コーディング「は」しなくても作れるようになりました。
Claude Codeでは試してないですが、HTML+JSのWebアプリならいけそうです。Junieなら、簡単なAndroidアプリならチャットだけで完成するのは前にこのブログでも書きましたね。
しかしJunieでバイブコーディングは結構AIクレジットが要ります。「ただ録音して再生するだけのAndroidアプリ」でしたけど、20AIクレジット=20ドルくらい使ったと思います。もっと機能追加していたらあれです。アレ。
バイブコーディング
できなくはない、でも高い。
現場からは以上です。



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